アメリカ国旗の捨て方

今日はアメリカはメモリアルデー。これにちなんでアメリカについての話を一つ。

先日私の住んでいるコミュニティで普段は廃棄できないガレキ類を取りまとめて捨ててくれるという企画があって、私もポールの部分が壊れてしまい、国旗自体も色あせてさえなくなってしまったアメリカ国旗を他のモノと一緒に捨てに行ったのでした。巨大な箱が公園の横に設置されており、そこにさまざまな粗大ごみやガーデニングの廃棄物など、まさにガレキの山になっているところに、それを放り込んで帰ろうとしたとき、その巨大な箱の横に止まっていたトラックの怪しそうな男が声をかけてくるのでした。私は「何?」と言って変なやつだなと思いながら近寄って行くと、「今、アメリカ国旗を捨てなかったか?」と怒った調子で話しかけてくるのです。「あぁそうだけど...」と私が答えると「何で捨てるんだ」と因縁めいた口調でからんでくるのです。「何でって使えなくなったから捨てたんだ」というと「それは気軽に捨てるもんじゃねぇ。お前はアメリカを愛していないからそんなことをするんだ」とまた突っかかってくるのです。「古くなった国旗を捨てるのと愛国心は関係ないだろ。何でそんなことにこだわるんだ?」とこっちも苛立ちながら言うと「おれはマリーン(海兵隊員)だからだ」とくるじゃないですか。

それから少しもめた後、挙句の果てに「ポールがだめになっただけなら旗は使えるだろう」といって、その巨大な箱によじ登って旗を拾い、私に突っ返してくるので、「ポールはいらないんだ」というとご丁寧に旗とポールを切り離して旗だけを私にくれるのです。「こんなところで、いちいち人が何を捨てるかチェックしているのか?」と言うと、「ただここでビールを飲んでいるだけだ」と来たので、「それこそ、ここは公園で公共の場所だから、ここでビールを飲むのは違法行為だぞ」とこっちもやり返すと「おれは自分のトラックの中で飲んでいるだけだから違法じゃない。警察を呼んでもいいよ。」と開き直る始末。後でよく考えると(考えないとわからないということは私も冷静ではなかったということですね)これって飲酒運転じゃないですか。「で、使えない国旗はどうしろと言うんだ?」と言うと「俺はマリーンの制服を11年も洗いながら着ているんだ。洗って使えばいいじゃないか。」とまったく話にならないのです。

とにかく、心中、「面倒なやつだな」と思いつつも、これ以上、事を荒立てるのも何だし、確かにこちらもアメリカ国旗のことを気軽に考えすぎたかもという気持ちもあったので、仕方なく国旗の部分だけを持って家に帰ったのでした。で、別に他人に迷惑をかけているわけでもないのに、人のやることにこういうふうに無理強いする形で干渉してくるのはけしからんと思いつつも、確かにアメリカ国旗はアメリカの象徴だし、アメリカ国民、特に愛国的な人々は使えなくなった国旗の処分はどうしているのだろうという疑問にたどり着いたのでした。単純に捨てれないなら国旗が家の中に溜まっていってしまうし、何か特別な作法でもあるのかなと思ったりしたわけです。

で、調べてみると、ありましたありました。正しい国旗の捨て方。

使えなくなったアメリカ国旗を捨てたい場合はどうすべきか

本来は、市や郡等、最寄の自治体単位で国旗の廃棄受付窓口があるべきというのが公式的見解のようですが、現実はそこまで整備している自治体はさすがにアメリカと言えどもほとんどないようで、「尊厳をもって燃やして廃棄する」というのが、愛国者的に受け入れられる方法のようです。で、メモリアルデーには、そういう旗を焼却するセレモニーを取り持つボーイスカウトや消防士の人達がいるようです。アメリカ市民としては常識なのかも知れませんが、また一ついい勉強になったのでした。

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