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ウィンブルドン男子決勝

いやー、今日のウィンブルドン男子決勝は素晴らしい試合でした。久しぶりにテニス中継を見ていて涙が出るほどに感動させてくれる試合でした。去年のUSオープンでのアガシ対バグダディスの試合も結構感動したのですが、それをはるかに上回る中身の濃い試合でした。 これまでのグランドスラム優勝回数の歴代1位はサンプラスの14回だそうで、エマーソン(Roy Emerson)が12回で2位、ボルグとレイバー(Rod Laver)が11回、これにフェデラーが10回で続いていたわけです。この内ボルグは11回のうち6回が全仏、5回がウィンブルドンで、しかも同じ年に両方共優勝したのが3回もあり、80年以降、同じ年に全仏/ウィンブルドンの両方優勝を達成した選手は出ていないそうで、ナダルは久しぶりにその偉業に挑戦する選手という設定。ボルグが凄いのは、その上にウィンブルドン5連覇という偉業も達成していて、フェデラーはこちらの記録に並んで来年さらにそれを超えられるかどうかという設定。というわけで、どちらも非常に素晴らしい記録がかかっていたので凄い試合が予想されましたが、本当に素晴らしかったです。 第1セットからタイブレークにもつれ込む接戦でフェデラーがまずはこれを制しました。 第2セットをナダルが取り返したところで、試合がおもしろくなってきましたが、第3セットもタイブレークにもつれこみ、結局はフェデラーが制したところで、ほぼ勝負はあったのかなという感じがしました。ところがナダルはまったく引くことなく第4セットの第1ゲームはナダルがいきなりフェデラーのサービスゲームをブレークして、試合の行方が掴めなくなって、フェデラーのサービスゲームである第3ゲームも連続ブレーク。その第3ゲームでは30-30となったところでナダルのショットがアウトのコールにナダルがチャレンジ。電子判定はなんとINで、それもかするかどうかという僅差の判定。電子判定は精度90%程度らしく、フェデラーなんかは導入に反対の方だったらしく、珍しくこの場面ではかなり不服そうに主審に抗議していました。ナダルはその後自分のサービスゲームをしっかりキープして、4-0とリード。その後もそのままリードを守って一気に2セットオールで試合は振り出しに。フェデラーがウィンブルドンでフルセットに持ち込まれたのは、なんと2001年に4回戦でサンプラスを破った試合以来だそうで、これで一気に試合が盛り上がりました。しかもそれ以前のフルセットマッチでは2敗しているんですよね。 フルセットマッチの両者の戦績 フェデラー 9勝10敗 (今年はフルセットマッチはなし) ナダル 9勝2敗 (今年は3勝無敗) これで最近勢いのあるナダルが一気に波に乗るような雰囲気で2ゲームも15-40からのフェデラーのサービスゲームでブレークチャンスがあったのですが、そこは流石フェデラー、2ゲーム共、崩れずにしっかりとキープ。第6ゲームのナダルのサービスをトリプルブレイクポイントで追い込み、実際にブレイクを決めたショットでは、フェデラーが闘士を剥き出しにして吼えるまでにナダルがフェデラーを追込んでいたと思います。その後のサービスゲームはサービスエースの連続でナダルにポイントを奪わせずにキープしナダルを威嚇するかのようでした。しかしながら少しもひるまないナダルは次の自分のサービスゲームもジュースを何回か往復する接戦でしたが結局は疲れが出始めたのかショットが冴えずフェデラーにそのゲームを取られフェデラーの勝ちが決まったのでした。 最終結果は、7-6、4-6、7-6、2-6、6-2という内容でスコアだけ見るとわかりにくいですが、技術は、ほぼ互角で精神的な戦いにまで達していたと思います。 その証拠に優勝が決まった瞬間、普段は絶対に見せない感激の涙でフェデラーの瞳があふれていました。アナウンサーもいとも簡単にここまで来たかのように見えながらも、ウィンブルドンで34連勝はやはり並大抵の精神的戦いではなかったことをこの涙が物語っているというようなことを言っていました。解説のジョン・マッケンローも今日の試合は間違いなくウィンブルドン史上に残る名勝負であると断言していました。私も本当にそう思いました。これが簡単にフェデラーが勝つような試合であれば、ただ凄い記録だねで終わっていたと思うのですが、ナダルのおかげで強敵(フェデラーにとっては天敵でもある)を破っての記録達成ということで記録の価値が何倍にもなったと思います。ナダルも天候の関係で運悪く7日連続での試合となり、これまでの試合時間もフェデラーの約倍と、疲労が心配されましたが、その状況でフェデラーをここまで追い込んだのは立派としか言い様がありません。 フェデラーの2004年から今年のこれまでを含む4シーズントータルの対戦成績は282勝20敗で勝率93%です。ところがこの内訳がおもしろくて、ナダル以外の選手に対しては、278勝12敗なのに、ナダルに対しては、4勝8敗と極端に分が悪い。いわゆる苦手選手、天敵です。この前の全仏ではナダルがフェデラーを破って全仏3連覇達成でしたしね。 今日の試合は、イギリスだからかどうかわかりませんが007シリーズでジェームズボンド役だったピエルス・ブロスナン(Pierce Brosnan)も観戦しに来ていて中継で映されていました。それよりも何よりも、今年は5連覇の偉業を達成したボルグ本人が観戦しに来ていて、マッケンロー、ボルグ、コナーズが揃ってセンターコートでファンに手を振っているシーンなんかが映されていたのも、ちょっとおもしろかったです。 今年はロディックがガスケに2セットリードからのまさかの逆転負けを見て(この試合のガスケは素晴らしかったのですが、その後のフェデラーとの試合では全く冴えなかったのが残念でした)、女子の方がちょっと調子の波が激しい選手ばかり勝ち進んで、決勝戦もビーナス・ウィリアムスの一方的な試合でつまらなかったので、今日みたいに頂点対決みたいな試合は決勝にふさわしく、とにかくいい試合でした。次のグランドスラムは8月のUSオープンですが、来年のウィンブルドンが今から待ち遠しいです。

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