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MLBオールスター戦の副作用

このブログをいつも見てくれている人(がいるのかはわかりませんが)ならお気づきと思いますが、最近、スローライフからはかなり遠い生活になってしまっています。これは、サンタローザ付近にうまく合う仕事がなく、起業する程のアイデアも今はないので、自然と出稼ぎモードになってしまっているためです。 そんなわけで、私は、いつもPriceline.comを主に利用しているのですが(Hotwireは星の格付けが甘くて、あまり信用できません。この話はまた別のときにします)、大体、6月から夏期休暇が始まり、7月、8月がピークで利用客が急激に増えるのでホテルは安くでは取りにくくなります。 それでも、先々週まではなんとかかんとか、Pricelineでも同じホテルでの4連泊でビッドが通っていたのですが(例外は、Walnut Creekのルネッサンスホテルが4つ星ホテルで、この時もどうしてもとれないので、それならと思い切って逆に予算をかなりオーバーさせて、楽しむことにしてしまったのでよしとしました)、今週はひどくて色々な技を駆使しても(さすがに毎週使っていると自然と色々な技が身に付きます)どうしても4連泊が取れませんでした。あ、書くのを忘れましたが、これは一応イーストベイ近辺(今、世話になっている会社はプレザントンという所にあります)を狙っての話です。 で、仕方がないので、面倒だけど一泊ずつホテルを変えるような戦略で行くことにして、月曜日の夜の宿泊だけ確保して月曜日の夜にそのホテルから再挑戦したんです。それでわかったことは、どうも火曜日の夜がまともそうなホテルはどこも一杯みたいだということなんです。なかなか取れず時間ばかりがすぎ、挙句の果てには、「イーストベイ、オークランド地区でビッドできる直近のチェックイン日付は7/11です」みたいなエラーメッセージが出る始末。こんなん初めて見ましたよ。で、とろい頭でよーく考えてみると、そういえば今日(7/9 月曜日)はテレビでメジャーリーグのオールスター戦の前日でホームラン競争ばっかり放映していたなぁと、あっ、つうことは明日(火曜日、7/10ですね)は、オールスター戦じゃん。しかも今年は久々に人気の観光都市サンフランシスコが開催地とあって、その日の夜のホテル一杯で当たり前なんだぁと、そのとき初めて頭の中でつながったのでした。実際、月曜日は、一泊だけCrown Plazaに泊まったのですが、前回はキングサイズベッドの部屋はなくて2つのダブルベッドが置いてある部屋だったのですが、今回はキングサイズの部屋で、おかしいなと思ったのも、これで謎が解けました。今週はビジネス客で込んでいるのではなくて、家族連れ、しかもオールスター観戦の客がメインですから、少しでもベッドの数が多い部屋から埋まって行って、普段は先になくなるキングサイズの部屋が逆に余るというわけですね。 ところで、なぜホテルを取るのかというと、自宅とプレザントンとを一往復で160マイル(約256キロメートル)以上運転することになるのが主たる要因です。でも、ホテルなんか取ってペイするのという疑問があると思います。自分でもよくこれは自問自答すべき疑問なので、いい機会なのでこの辺を少し説明したいと思います。 IRS(アメリカ連邦税務局)の標準マイレージレート(ビジネスの場合、この金額を所得控除できる。サラリーマンの給与所得からは控除できません)は、2007年度の場合、48.5セントとなっていますから、160マイルは約$78相当の償却と見なせるわけです( http://www.irs.gov/formspubs/article/0,,id=109876,00.html#stan_mile_2007) これは、車両の減価償却も含んでいますからまあ目安で、実際に自分のポケットから直接出て行くのはガソリン代とオイル交換にかかる費用だけですが、それでも私の車の場合、160マイル走って大体8ガロンのガソリンを消費し、今は安くてガロン当り$3はかかりますので、ガソリン代が$24。オイル交換は、1日当りは数ドル相当で無視できる程度ですが、毎日この距離を往復すれば車の保守点検費用がどんどん膨らんできます。それと橋を渡らなくてはならないので片道$4(リッチモンドブリッジ)~$5(ゴールデンゲートブリッジ)が毎回かかります。ということで、実費換算でも最低$30強はかかる計算になります。 ということで1往復は大体、$30~$78に相当すると考えられるので、私の場合、真ん中ぐらいを取って$55が一泊にかけても何の無駄もない金額と見なしています。 何よりも重要なのは節約できる時間です。往復にかかる時間は、最短で2時間40分、平均で3時間20分ぐらいですから、ホテルを利用することにより、チェックイン・チェックアウトや家でのパッキング等に要する時間を引いても1回当り約2時間程度の時間が節約できます。ですので、仕事量が十分に多くあるという前提では、その分多く働くことができて、請求できる金額を増やすことが可能で経済的にもペイするはずとなります。 というようなことや時間給の額はもちろん、税金やら何やらもっと色々とファクターをすべて考慮して、大体、リーズナブルな値段というのは$80ぐらいまでという目安をはじき出しました。それ以上の金額を支払うことになるといくら時間と運転の労力を節約できるとしても、あまりホテルを取る意味はなくなってきて無駄の方が大きくなってきてしまいます。 一泊$80以下で、割といいホテルに宿泊することが可能なのはPricelineのおかげです。これがなければ、かなり安いモーテルで我慢するしかなくなります(実際安モーテルでも正面切って予約すればそんな値段です)。私がいつも利用させてもらっているホテルだとまともな値段で最低でも$120付近がスタートです。モーテルでもいいじゃんと思われるかも知れません。実際、以前は私もさらに安くするために2つ星のモーテルクラスを利用していました。Pricelineを通すと驚異的に安いし、モーテルでも部屋自体はまあまあなので最初の頃はこれはいいなとか思っていたのですが、アメリカの住宅街と一緒で「安全は金で買え」ということが実感できるようになってから、ホテルでも同じということがわかってきて、モーテルとその上のホテル等との決定的な違いは「部屋や施設」ではなく「立地と治安」であるということなんです。その辺がわかってからは少し高くつくけど、できるだけ3つ星かそれに準ずるホテルを利用するようになりました。 長くなりましたが、今週は、オールスター戦がサンフランシスコで開催された副作用で、その目安をやや超えてしまわざるを得なくなってしまってホテルを転々とし、こういうビッグイベントはもっと早くから察知して対策を考えておかないといかんねという教訓を学習したわけでした。

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In Silicon Valley, global outsourcing going full circle

下記の記事をPress Democratで読みました(元はWall Street Journal)。 In Silicon Valley, global outsourcing going full circle この記事によれば、インドのハイテク産業で働く技術者の給料がすごい勢いで上昇した結果、シリコンバレーへの回帰現象が一部で見られ始めたようです。こういう現象って以前からいつかは起きるだろうと思っていたので、「やっぱり」という感じなのですが、アメリカからインドの人たちを管理するのはメリットよりもデメリットの方が大きいと思うんですよね。時差があまりいい感じでオーバーラップしていないので、インド側かアメリカ側が必ず変な時間に働かなくてはならなくなるし、英語ができるとは言っても、やはりアクセントやらがだいぶ違うので普通のアメリカ人からすれば聞き取りにくかったりして、必ずしもスムーズなコミュニケーションを保障はしてくれないわけです。そうは言っても平均給料が以前はシリコンバレーの4分の1だったので、それらの不便さをカバーしてあまりあるほどの経済メリットがすべての欠点に目をつぶらせていたわけですが、最近はシリコンバレーの4分の3程度にまで接近してしまったために欠点の方が目立ち始めたというわけです。 上記記事によれば、ジュニアレベルのエンジニアはバンガロールでも$50,000~$60,000払わないと雇えないそうで、シリコンバレーで$80,000で雇えるのになんでわざわざインドで雇うのかと、こうなってきているようです。で、今はルーマニアとかポーランドへ優秀で低賃金の技術者の需要がシフトしてきているようだと書いてありますね。 インドでも一番安い技術者は年収$5,000からだとありますので、全体が上昇したわけではなく、「ちゃんとした経験のある」 技術者の賃金インフレだということらしいです。まあ、こういうのを見ていると結局需要のあるスキルや経験があれば市場価格に自然と近づいていくという当然の帰結が起きているわけで、少なくとも技術者の求人に関しては、本当にグローバルに自由経済市場が広がれば、世界中のどこにいようと少し時間が経てば適正価格に落ち着いてしまうということが実証されつつあるわけで、単純な需要と供給に基づく市場経済論理が世界規模でもある程度働いているということが言えそうです。 ということは、結局需要があって、かつ需要よりも供給の少ない経験やスキルがある技術者になっていれば、世界のどこに居ても食っていくのに心配なくなるということですね。ここで「需要よりも供給の少ない」 というところがポイントで、難しいことをする必要は必ずしもないということです。要は「他人がやらなさそうなこと」を選ぶのが肝心で、日本的な「みんながそうするから、私もそうしておけば安全だろう」的な考えは、確かに安全ではあるかも知れませんが、結果的に安売りにつながるということになっていくのではと思います。まあ、「他人がやらなさそうなこと」を選ぶのって、結構勇気がいりますけどね。需要の波が来たときに初めてペイオフするので、それまでは「なんでこんなこと選んじゃったんだろう」とか思うこともあるわけですから、やはり好きで、長続きできそうなことでないとうまく行かないことが多いですけどね。この辺は私自身は、特にアメリカに来てからは、一応少しは心がけてきたつもりではあります。とは言え、実行していくのは本当に難しいのでありますが、今後もよく肝に銘じておきたいことの一つです。

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